ラグビー日本代表 その2
その日、テレビを夜中付けたら、今まさに南アフリカ戦が始まるというところでした。
「そういえばワールドカップだったな」と思うと同時に、スプリングボクスの名前と強さは何となく知っていたので、「頑張って善戦」ぐらいできればいいだろうな、それを目指してやっているんだろうな、と思って見始めました。
ところが…
前半が終わる頃には「ひょっとしたら…」という興奮と「後半は体力負けかもな」と思う自分とが同居していました。
最初の国歌斉唱で、明らかにもともと日本人ではない選手達が君が代を歌ってくれる姿に、何かこみ上げるものが来て。
試合が始まってからも、タックルが刺さりまくって、大きなゲインを許さない姿に思わずくぎ付けになり。
しかもトライを取られた後に、モールでなだれ込んでトライまで取り。
「ジャパンがボクスをモールで押し込んだ!」という興奮が冷めやらないまま、あっという間に前半終了。
そして後半。
見事な連携からの五郎丸選手のトライ。時計が進む中で、PGで3点ビハインドで最終局面へ。
いままでのジャパンなら「善戦」で終わるところでした。
「どうせ勝てないだろうな」「ここまで苦しめたんだからよくやったよ」という、言い訳にも似たメンタリティが出る、日本人特有の優しさと言いましょうか…いや、ここまで勝てなかった歴史が、見てる私にそう思わせていました。
「歴史を変えるのは誰?」
スクラム選択からマイボールキープのまま、逆サイドへ展開してポイントが出来て、手前へのカメラワークで数的優位が見えた瞬間、鳥肌が立ったのを覚えています。
「余ってる!余ってる!」「飛ばして!」
NHKで観戦していたので、最後のヘスケス選手のトライ前に
「行け―!行け―っ!!」
と、豊原アナウンサーと同じ言葉を叫び、トライの瞬間から
「う゛ぁぉぉぉぉーっっっ!やりおったー!!」
と声にならない叫びを上げて、涙腺が崩壊したのを昨日のことのように思い出します。
今でもYouTubeで試合の映像を見ると、涙が出てきます。ある意味鉄板ですね。
自国開催でのW杯でも、同じような感動が訪れるのか?
楽しみにしながら開幕を迎えました。